OBP Namespace — ビジネスデータの共通言語
Open Business Protocol が定義する _v.* namespace 体系。目標・意思決定・知識・タスクが統一された言語で記述される
ビジネスデータに「共通言語」が必要な理由
タスク管理ツールにある「タスク」と、スプレッドシートにある「タスク」は、同じ言葉でも構造が違います。CRM の「目標」とドキュメントツールの「目標」も、互いに参照できません。
ツールごとにデータ構造が閉じているため、エージェントは「ツール間をまたぐ仕事」を自然にこなせません。ビジネスの文脈は、ツールをまたいで連続しているのに、データは孤島のままです。
Open Business Protocol(OBP)は、この問題に対する答えとして「ビジネスデータの共通言語」を定義します。
_v.* Namespace 体系
OBP の核心は _v.*(virtual namespace)と呼ぶ命名規約です。すべてのビジネスデータは、この namespace に従って分類・記述されます。
_v. プレフィックスは「ビジネス上の概念」を示し、その後に続くセグメントが具体的なデータ種別を表します。
基本 namespace(コア):
_v.goal— 目標。達成基準・期限・現在の進捗を持ちます_v.task— タスク。担当者・ステータス・優先度・親目標への参照を持ちます_v.note— メモ。構造を持たない自由記述のデータです_v.decision— 意思決定の記録。背景・選択肢・理由・承認者を持ちます_v.knowledge— 知識。再利用可能な情報・ノウハウ・参照リソースです_v.schedule— スケジュール。時刻・繰り返しルール・実行対象の参照を持ちます
拡張 namespace(ドメイン別):
_v.fb.capture.sns_post— SNS 投稿のキャプチャデータ(Flapbase 拡張)
namespace は階層構造を持ちます。_v.fb.* は Flapbase が公式に定義する拡張領域、_v.custom.* はユーザーが独自に定義できる領域として設計されています(Pro プラン以降)。
Atom とは何か
OBP では、個々のデータレコードを Atom と呼びます。
Atom は「最小単位のビジネスデータ」です。一つの Atom には以下が含まれます。
- namespace(
_v.taskなど) dataフィールド(JSON。namespace に応じた構造)- メタ情報(作成日・作成者・ワークスペース帰属・タグ)
Atom どうしはリンクで接続できます。_v.task が _v.goal を参照する。_v.decision が _v.note を背景として引用する。このリンク構造によって、バラバラな情報が「文脈のあるグラフ」として機能します。
UI レイヤーでは、AtomRenderer が namespace に応じたカードコンポーネントを自動で選択します。_v.goal ならば GoalCard、_v.task ならば TaskCard。エンジニアが新しい表示を実装するとき、namespace を登録するだけで、既存の UI に自動で統合されます。
VDB との関係
VDB(Virtual App Database)は、OBP Atom を保存・検索するための仮想データベース層です。
物理的には2つのテーブルで構成されます。
vdb_schemas— namespace の定義とスキーマ情報vdb_records— 実際の Atom データ
OBP は「何を記録するか」の規約を定め、VDB は「どこに保存するか」の仕組みを提供します。この関係によって、Flapbase はスキーマレスでありながら型付きの、柔軟なデータ管理を実現しています。
エージェントは vdb_read / vdb_upsert ツールを通じて Atom を読み書きします。ワークフローが目標の進捗を更新するとき、ユーザーが意思決定を記録するとき、SNS の投稿が自動キャプチャされるとき、すべて同じ VDB の Atom として保存されます。
共通言語がもたらすもの
_v.* namespace が共通言語として機能することで、三つのことが実現します。
1. ツール横断の検索: 「今月の意思決定の一覧」「目標に紐づくタスクの進捗」を、ツールをまたいで一つのクエリで取得できます。
2. エージェントの文脈理解: エージェントは Atom のリンクグラフを辿ることで、「なぜこのタスクがあるか」「この決定の背景は何か」を自律的に理解できます。
3. エコシステムの相互運用性: OBP に準拠したアプリやエージェントは、異なるワークスペースをまたいで Atom を共有・参照できます。将来のクロスワークスペース協働や、OSS エコシステムの基盤になります。
OBP は仕様として GitHub で公開されています。詳細は openbusinessprotocol/obp-spec をご参照ください。